駐車場のオーナーになるには?【メリット・デメリットと平均収入】

駐車場のオーナーになるには

相続や贈与で土地を手に入れる機会がめぐってくることや投資目的で土地を購入することもあるでしょう。しかし、手に入れた土地をそのままにしておくと、毎年の固定資産税の支払わなければならずメリットがありません。

※固定資産税とは:毎年1月1日時点で不動産(土地、住宅、マンションなど)を所有する人に発生する税金のこと

そこで土地を遊ばせておくのではなく、土地活用をすることで、収入を得ることを考えましょう。

今回紹介するのが、「駐車場経営」です。

初めて駐車場オーナーになることを考える方に向けて、駐車場経営の概要、メリット・デメリット、費用や収益について紹介します。

具体的な土地の活用方法に悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

この記事を読んだら分かること

本記事で分かることは下記の4つです。

  1. 最低限オーナーになるために必要なモノを紹介
  2. 主な駐車場の経営方法を2種類紹介
  3. 駐車場オーナーになる上でかかる初期費用と駐車場経営で得られる平均収入を目安を紹介
  4. 駐車場オーナーになる上での注意点

土地活用のアイデアがまだ明確でない方、駐車場経営を決めたが具体的な内容をこれから調べる方にとって、足がかりになる内容です。

駐車場オーナーになる方法

駐車場オーナーになる前に、まずは最低限必要になるモノが揃っているかを確認しましょう。

最低限必要なモノには、

  • 土地
  • 駐車場の運用方法
  • 資金

の3つがあります。

土地

特に土地については最低限必要なスペースが確保できるかという点が大切です

一台駐車するスペースを確保するためには、約15㎡(2.5m×5.0m)が必要となります。

しかし、一般的に満足のいく収益を得るためには一台分のスペースでは難しく、複数台分のスペースが必要になります。

また、駐車場への入りやすさも重要です。狭い道に駐車場があると出入りが難しく、利用者にとって使い勝手が悪くなってしまいます。商業施設や駅の近くであっても、入りにくい入口だと敬遠されてしまいがちです。

基準として幅員が4m以上の道路と面していると、利用しやすいと言われています。駐車場単体の土地の大きさだけでなく、接続する道路の幅も確認しましょう。

運用方法

さらに、駐車場を経営する方法も選択する必要があります。

運用方法は大きく分けて「月極駐車場」と「コインパーキング」の二種類があります。

詳細は次の項で解説しますが、自身のライフスタイルや所有地周辺の状況を踏まえて、選択することが重要です。

資金

駐車場のオーナーになるには、初期投資もある程度必要になります。

土地の取得にかかる費用や、月極・コインパーキングなど運用方法によって変わる設備などは必要です。

マンションなど物件を建てるよりは大幅に安く済みますが、駐車場オーナーとして経営を始めるには、ある程度の資金も必要なことは頭に入れておきましょう。

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駐車場経営の種類

駐車場経営には大きく2種類あり、月極駐車場にするかコインパーキングにするかを選択する必要があります。

どちらも土地を駐車場という目的は同じですが、立地条件や自身の収入目標によって、慎重に選ばなければいけません。

自分の駐車場経営のイメージにどちらが近いか、見ていきましょう。

月極駐車場

月極駐車場とは、月額で賃貸契約する駐車場のことで、周辺が住宅地の地域に多いタイプです。

アパートやマンションなどの賃貸住宅経営と同じく、毎月決まった収入を得られるのがメリットです。

一方、安定した駐車場収入を得るためには、空車を作らないような工夫が必要です。

経営方法としては、

  • 自己経営(全ての手続きを自分で行う)
  • 管理委託方式(全ての業務を専門の管理業者に任せる)

に分けられます。

自己経営であれば、募集から契約、使用料の受け取りなどすべてを自分で行うので、自分の目で細かく管理したい方におすすめです。

一方、自分で管理するのは時間などの都合上難しい方や、トラブルが起きた時に対応できるか心配な方は、管理委託方式を選ぶと良いでしょう。

手数料が発生しますが、面倒な手続きを全て委託できるのは大きな魅力です。

コインパーキング

コインパーキングは、誰でも利用できる時間貸しの駐車場です。駅や商業施設が周辺にある地域でよく見られます。

コインパーキングには、

  • 自己経営(すべての手続きを自分で行う)
  • 土地賃貸(土地を業者に貸し、土地代を受け取る)

の二つの経営方法があります。

月極駐車場と違いコインパーキングでは、看板や精算機、ロック板などの専用の設備が必要になります。

こうした設備を自分で業者に発注し、利用料金設定を行い、毎日パーキングの管理をするのは、経験がない方には難易度が高いです。

そのため業者に土地を貸し、賃料を受け取る「土地賃貸方式」を選択する方が多いと考えられます。

ただし、土地賃貸は毎月一定の賃料は入ってきますが、駐車場利用の利益は業者の取り分となるため、オーナーは受け取ることができない点に注意が必要です。

駐車場オーナーの平均収入と設備投資にかかる初期費用

駐車場オーナーになった場合に、どの程度の収入を得られるのか、その収入を得るための設備投資にはいくらかかるのかを確認していきます。

平均収入

同じ規模の月極駐車場とコインパーキングで、1ヶ月どの程度収入が得られるかをシミュレーションしてみましょう。

(駐車台数が5台の場合)

月極駐車場(利用料月3万円)

  • 月3万円×5台=15万円(年間180万円)

コインパーキング(1時間300円:稼働率40%と仮定した場合)

  • 300円×24時間×30日×40%=約8.8万円
  • 8.8万円×5台=44万円(年間528万円)

コインパーキングの方が利益が多く見えますが、駐車場の立地や稼働率によってその数値は大きく変動するので注意が必要です。

また、これはあくまでも個人経営の場合です。業者に管理を委託する場合は、毎月の収入は土地代のみなので、結果的に月極駐車場と同程度の利益になることも考えられます。

初期費用

駐車場経営にかかる初期費用を、月極駐車場とコインパーキングに分けて紹介します。

月極駐車場にかかる初期費用

月極駐車場の場合はコインパーキングほど特別な設備を準備は不要で、すぐに経営を始められます。

初期費用としては、土地代を除いて10~100万円程度を見込んでおきましょう。

設備としては、以下が必要になります。

  • 土地の整地
  • 車止め
  • 駐車スペースのライン引き
  • 照明やフェンス、屋根の設置

など。

運用の仕方によってどれだけ設備を揃えるかも変わってきますが、目安として考えておきましょう。

コインパーキングにかかる初期費用

コインパーキングの場合、自己経営か土地賃貸かによって費用は変わります。

自己経営の場合、初期費用は200万~300万円程度を見込んでおきましょう。

設備としては、以下が必要になります。

  • 土地の整地
  • ロック板
  • 精算機
  • 看板
  • フェンス
  • 設備工事

など。

自己経営の場合は、これらのコストは自分で支払う必要がありますが、土地賃貸の場合は初期費用は業者負担となることが多いです。

これらの金額はあくまでも目安と考えましょう。

駐車場の規模や駐車台数によって費用は大きく変動します。

また、月極駐車場とコインパーキングのいずれを選択しても、自己経営の場合は駐車場のメンテナンス費用・電気代などのランニングコストも追加でかかります。

駐車場オーナーになる上での注意点

最後に駐車場オーナーになる上で、確認しておくべき注意点を紹介します。

駐車場経営は、アパート・マンション経営などと比べて、初期費用が安い、土地が狭くても活用できるといったメリットがありますが、次のようなデメリットあります。

  1. 税制上の優遇措置が少ない
  2. 立地に大きく左右される

税制上の優遇措置が少ない

賃貸住宅経営の場合は、固定資産税や都市計画税に関する優遇措置が受けられ、税金の負担を軽くできます。

しかし、駐車場はこうした優遇措置がなく、更地と同じ分の税金がかかります。

そのため、収益が生まれたとしても節税のメリットは享受できないと考えておきましょう。

実際に運営した場合の税額は、事前にシミュレーションしておくと安心です。

立地に大きく左右される

駐車場の需要が少ない地域や接続道路が狭く使いづらい場合には、稼働率が下がり、想定よりも利益が出ないケースもあります。

また、既に周りに駐車場がある場合、供給量過多になってしまうことも利益を下げる要因となるでしょう。

駐車場経営を始める前に、周辺環境をチェックし、需要があるのかを見極め、自分の土地が駐車場にふさわしいかを評価するのも大切です。

例えば、

  • 車の往来が多いのか
  • 駐車場がないアパート・マンションが近くにあるか
  • 商業施設や駅が近いか
  • 出し入れがしやすい道路に接続しているのか

などがポイントになります。

駐車場以外の土地活用も視野に入れて考えよう

もし、駐車場経営は難しいと判断した場合には、他の方法を選ぶことも視野にいれましょう。

例えば、賃貸経営は初期費用は高くなりますが、収益が高く、税制上の優遇措置があるため、駐車場経営と比べ、利回りが良いとされています。

空室対策が必要な点は駐車場経営と同様ですが、所有する土地が賃貸経営に適しているかどうか調査する価値はあるでしょう。

また土地に執着がなければ、売却してしまうのも一つの手段です。

何もしないまま土地を所有しているだけではただ税金が毎年発生するだけです。

しかし売却すれば、

  • 現金として利用できるようになる(金融商品の購入や他の不動産の購入、ローンの返済などに充てられる)
  • 固定資産税や都市計画税の負担がなくなる

などのメリットがあります。

デメリットとして、土地から収益を得られなくなる、売却に費用や時間がかかる、といったことが挙げられますが、土地そのものが不要な方やまとまったお金が必要な方は選択肢に入れても良いでしょう。

まとめ

今回は駐車場オーナーになるために必要なことについて、ポイントをまとめて紹介しました。

月極駐車場・コインパーキング、どちらにもメリット・デメリットがあります。

今回紹介したことを足がかりに、専門家に相談し、自身で経営するか、外部に管理を委託するかなどを決めましょう。

シミュレーションをしっかりして、ライフスタイルに合った土地活用を目指してください。

駐車場のオーナーをご検討の方へ

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